記憶の宮殿を使った記憶術はイメージが重要

記憶の宮殿は記憶術では必要不可欠

「記憶の宮殿」とは、記憶術の最古典でもある「座の方法」に由来する「元祖・記憶術」になります。

「座の方法」は、今から2500年前の古代ギリシアでシモニデスが考案した記憶術になりますが、座の方法こそ「記憶の宮殿」になります。現在では「場所法」といっています。
シモニデス~記憶術の起源「座の方法(ローマンルーム法)」【古代ギリシア BC500年】記憶術・場所法のやり方を図でわかりやすく解説

「記憶の宮殿」は、最も古い記憶術になりますので、時代毎にいろんな名前が付けられています。一例をあげますと、たとえば、

座の方法
ローマンルーム法
記憶の劇場
架空の場
心像法
寓物法
身体法
指法
時計法
部屋法
道法
建物法
ロキ・システム
ジャーニー法

といった具合です。
詳しいことはこちらに全て書いてあります。
場所法とは?シモニデスのローマンルーム法

このように時代毎に様々な名称で呼ばれたり、いろいろなモノを記憶の宮殿としています。「記憶の宮殿」は記憶術では絶対といっていいほど必要になります。

記憶術では、まず「記憶の宮殿」を作り(設け)、それから覚えたいことを「記憶の宮殿」と関連付けて覚えていきます。ですので「記憶の宮殿」は絶対に欠かすことができなくなります。

記憶の宮殿を使った記憶術はイメージが重要

「記憶の宮殿」を使った記憶術では「イメージ」を描くことが非常に重要になります。

といいますか、覚えたい事柄を覚えるときに、必ず「記憶の宮殿」とイメージで関係付けて覚えますので、「イメージ」を描くことは、これまた絶対に欠かせなくなります。

記憶の宮殿は、「イメージ型記憶術」に分類でき、この中でも代表的な記憶術になります。ます。「記憶の宮殿」と「イメージ」を使った記憶の技術ということになります。

イメージとは、一般的には「頭の中で映像を描く」ことになります。何故、映像がおすすめなのかといえば「長期記憶」になるからです。

ちなみに、長期記憶を司る脳の部位は「海馬」になります。で、海馬を動かすためには、感情を司る「扁桃体」を刺激する必要があります。

記憶の宮殿(記憶術)では、海馬と扁桃対を刺激して長期記憶できるようにしています。これが記憶術の仕組みであり理論、原理になります。
記憶術で頭が良くなるって本当?海馬が活性していたメモリースポーツの選手

イメージ能力の高め方

なおイメージのやり方やコツについては、こちらの記事に書いています。

「連想力」「連結力」「変換力」のトレーニングを続ける中で、イメージ能力も高まっていくようになります。
連想力【記憶術のやり方基本】~イメージをつなげていく能力連結力【記憶術のやり方基本】~イメージで関連付ける能力変換力【記憶術のやり方基本】~文章・数字・専門用語・概念を覚える

イメージでは五感を刺激する

上記で紹介したトレーニングには書いてありませんが、記憶の宮殿(記憶術)におけるイメージング(映像化)の仕方では、大事な秘訣があります。それは、

  • 視覚的に刺激のある映像・・・ビックリ、ショック、興奮、笑える、エロいなど
  • 聴覚的に刺激のある映像・・・大音量、爆発、絶叫、美しい音など
  • 感覚的に刺激のある映像・・・痛い、冷たい、くすぐったい、気持ちいいなど

といった「刺激があること」が秘訣になります。つまり「感情を刺激するイメージ」を頭の中に描くことですね。

別の言い方をすれば視覚、聴覚、身体感覚、味覚、臭覚といった「五感を刺激する(しながら)映像を描く」ということになります。

もし、このようなイメージ能力があって、空想で映像を描いたり、感じたり、聞くことができれば、記憶術を使いこなすことができます。この資質のチェックは、こちらで分かります。
記憶術は使えないのか?~記憶術への適性チェック

もしもイメージ能力が弱い場合は、「脳トレ」で伸ばすことができます。こちらの記憶術教材では、五感を刺激してイメージする能力を高めることに言及し、そのコツについて説明もしています。
⇒宮口式記憶術

記憶術は「イメージ能力」が大事になります。イメージ能力があり、これが優れていれば、誰でも記憶術を使いこなすことができるようになります。

記憶術の原理は変わらない

このように「記憶の宮殿」では「イメージ」が大切です。

記憶術は、「記憶の宮殿作り」と「イメージ」の2つで成り立っているともいえます。このことは、記憶術の元祖であるシモニニデス「ローマンルーム法」に限らず、その後の記憶術でも同じです。

記憶術(記憶の宮殿)の原理は今も昔も同じです。変わりません。

記憶術とイメージの歴史をたどっていきますと、このことがわかります。
⇒記憶術の歴史

中世の記憶術

たとえば中世の時代も同じです。中世のヨーロッパでは、キリスト教神学や神秘学の暗記のために、各種の記憶術のテクニックが考案されています。

しかしながら記憶術のテクニックそのものは、やはり「記憶の宮殿」と「イメージ」を使った方法だったりします。

トマス・アクィナスの記憶術

またスコラ哲学が隆盛した時代、トマス・アクィナスは宗教の教えや倫理道徳観を「記憶の宮殿」と「イメージ」を使って心に刻み込ませる方法を使っていました。
記憶術がスコラ哲学・学問に使われた中世【11~15世紀】

当時は印刷物が無かったため、全て暗記によって覚えていました。そのため「教育」では「暗記」が大変重要視され、暗記の手助けとして記憶術が使われていたほどです。

現代のように「印刷技術」が無かった時代ですので、暗記に頼らざるを得なく、そのため、記憶術を使って知識を覚えていたということになります。

ジョルダーノ・ブルーノの記憶術

イタリアの哲学者でありドミニコ会の修道士でもあり、コペルニクスの地動説を支持し処刑されたものの神学の世界では著名なジョルダーノ・ブルーノもまた記憶術を使いこなしていた大家でした。
カミッロの「記憶の劇場」オカルト・魔術的な記憶術【16世紀】

倫理道徳をしっかりと記憶すると善き人格も形成されることから、中世の時代は宗教や神学、教育といった分野において「記憶の宮殿」と「イメージ」を使った記憶術が使用されていました。

ルネサンスの記憶術

ルネサンスの時代になると活版印刷技術が盛んになります。印刷技術が普及すると、記憶術を使うことが減ってきます。

倫理道徳をあえて記憶術で暗記する必要も無くなったため、次第に記憶術の用途も減っていったという塩梅です。

ルネサンスの活版印刷の技術が普及し、「脳に記憶する」ことへの依存から「紙に記す(印刷)」ことにシフトするようになり、記憶術の使い道には変化が出てきました。

しかしながら用途が変わったとはいえ、記憶術そのものが「記憶の宮殿」と「イメージ」を使うやり方であること自体は変わりありませんでした。

新しい記憶術の登場

記憶術の歴史について説明しましたが、いつの時代でも記憶術は「記憶の宮殿」と「イメージ」を使った方法のままです。またこれが記憶術の真髄にもなっています。

ところが現代の記憶術では、今までとは全く違う新しい記憶術も誕生しています。

その一つが「ユダヤ式記憶術」です。ユダヤ式記憶術は、従来の「記憶の宮殿」と「イメージ」を使う記憶術ではありません。まったく異なるシステムから成る新しい現代記憶術です。

こちらでレビューをしていますので、くわしいことはこちらの記事をご覧ください。
ユダヤ式記憶術を徹底解説【レビュー・ネタバレ】~実際に購入したから言えること

また記憶術を使うための基礎能力を高める「脳トレ」を内包した記憶術も多くなっています。

「イメージ能力」が弱い方は「脳トレ」を含んだ記憶術教材を活用することがおすすめになります。

記憶術の多くは「記憶の宮殿」と「イメージ」を使っていますので、イメージング能力は必須になってまいります。