記憶術と東大合格との関係~記憶術の指導者に東大合格者は多い

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東大合格と記憶術

実のところ「記憶術」「東京大学合格」と深い関係があります。

というのも、記憶術を使って東大に合格している人が、後に記憶術の先生や講師になっている人は多いんですね。

実際、著名な記憶術の先生や、独創的な記憶術を考案した方は、ほぼ全員、東大に合格しています。

そもそも東京大学は、日本の大学ヒエラルキーにおいては、やはり現在もトップです。また東京大学に合格することは、暗記に長けていることと、知力の高さを示す一つのバロメーターになっています。東大合格は大学受験の金字塔とも言えますね。

で、本来なら生来の頭の良さでしか合格できないであろう東京大学に、記憶術という裏技を使って合格してしまいますと、そのインパクトと効果の大きさから、記憶術への興味と絶大な信頼感が出てくるのも当然でしょう。

ですので記憶術を使って東大に合格すると、後に「記憶術を教える」ようにもなりやすいのかもしれませんね。事実、こうした方々も多くいらっしゃいます。

記憶術の指導者に東京大学の合格者は多い

で東大に合格して、その経験から記憶術の指導者になった方は多くいらっしゃいます。ざっと列挙しますと次の通りです。

  1. 渡辺剛彰・・・1945年 東大文Ⅲ(文学部)合格。「ワタナベ式記憶術」
  2. 宮口公寿・・・1979年 東大理Ⅱ(薬学部)合格。「宮口式記憶術」
  3. 松平勝男・・・1987年 東大文Ⅰ(法学部)合格。「ユダヤ式記憶術」
  4. 吉永賢一・・・1991年 東大理Ⅲ(医学部)合格。「吉永式記憶術」
  5. 栗田昌裕・・・1970年 東大理Ⅱ?(理学部)合格。「栗田式記憶法」
  6. 和田秀樹・・・1979年 東大理Ⅲ(医学部)合格。「記憶法大全」
  7. 繁田和貴・・・1999年 東大文Ⅱ(経済学部)合格。「開成番長の記憶術」
  8. 杉山奈津子・・・2001年 東大理Ⅱ(薬学部)合格。「捨てる記憶術」
  9. 山口真由・・・2002年 東大文Ⅰ(法学部)合格。「ストーリー式記憶法」
  10. 河野玄斗・・・2014年 東大理Ⅲ(医学部)合格。「河野玄斗の記憶術」
  11. ドラゴン桜(担当者佐渡島庸平)・・・東大文Ⅲ(文学部)合格。「メモリーツリー記憶術」

※敬称略
ご覧の通りです。番外編として「ドラゴン桜」も含めていますが、記憶術で著名な先生や著書を出版している方には、東大合格した方が多いんですね。

東京大学は最高学府です。大学受験の象徴でもあります。そういうこともあってか東大に合格した方には、記憶術のみならず試験攻略に精通した人も多かったりします。

もっとも生まれつき頭が良いとか記憶力が良いといった、いわゆる「ギフテッド」という方もいるのも事実でしょう。しかしながら東大合格者に記憶術関連が多いことがおわかりかと思います。

以下に、それぞれの記憶術の著者・先生について解説いたします。

渡辺剛彰「ワタナベ式記憶術」

渡辺剛彰(わたなべ-たかあき)氏は、1945年に「東大文Ⅲ(文学部)」に合格しています。「ワタナベ式記憶術」の考案者。

渡辺さんは、なんといっても戦後における「日本の記憶術の元祖」です。

ワタナベ式記憶術【渡辺剛彰】~実際に使ったレビュー・口コミ・やり方

渡辺氏は、父親である渡辺彰平氏から教わった記憶術を使って、落ちこぼれから学年トップになり、見事、東京大学に合格。しかも東大在学中に司法試験に合格し、成功人生を歩んだ記憶術界では有名な方です。

32才の年の昭和34年(1959年)に、NHK「私の秘密」に出演して「記憶術」を披露。これによって戦後の日本に記憶術が広まり、一大ブームを巻き起こします。

「ワタナベ式記憶術」は、そんな渡辺剛彰氏の集大成になりますが、今も記憶術の定番として影響を及ぼしています。ちなみに東京カルチャーセンターの記憶術講座は、渡辺剛彰氏の記憶術だったりします。

東京カルチャーセンターの記憶術講座とは?口コミ・評判・レビュー

宮口公寿「宮口式記憶術」

宮口公寿(みやぐち-きみとし)氏は、1979年に「東大理Ⅱ(薬学部)」合格しています。「宮口式記憶術」を考案しています。

宮口さんは、場所法の一種である「道法」を、高校生のときに自分で改良し工夫し、自ら改良したその記憶術である「道法」を使って、学年ビリからトップになり、東京大学に合格したエピソードを持っています。

学年ビリ・落ちこぼれからトップになるという逆転劇は、渡辺剛彰さんに代表的ですが、記憶術を使って学力が急上昇したエピソードに時々出てきます。宮口さんも、この体現者ということですね。

場所法よりも使い勝手の良さもある宮口流の「道法」は、現在でも「宮口式記憶術」として出ています。

宮口式記憶術のネタバレ・やり方~AI使用の記憶術大学[MDK]を徹底解明!

松平勝男「ユダヤ式記憶術」

松平勝男(まつだいら-かつお)氏は、1987年に「東大文Ⅰ(法学部)」に合格しています。「ユダヤ式記憶術」を考案。

松平勝男氏(ユダヤ式記憶術の著者)とは?著書や評判は?

松平氏は、二浪して東大に合格していますが、何故こんなに遠回りしなければならなかったのかの原因に、浪人中、ハタと気づいたといいます。

ご自身の東大受験における苦労が、後に独創的な記憶術・勉強術・計画術となって結晶化し、多くの受験生を難関大学に導くことに成功しています。

松平氏の「記憶術、勉強術、計画術」は、それぞれ著書にもなっていて、松平三部作となっています。

ユダヤ式記憶術は、前例の無い独創的かつ画期的な記憶術で、大学・大学院受験や資格試験に大いに効力を発揮する記憶術として、また他の追随を許さない記憶術として、現在も人気を誇っています。

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吉永賢一「吉永式記憶術」

吉永賢一(よしなが-けんいち)さんは、1991年に「東大理Ⅲ(医学部)」合格しています。同じ東大の中でもトップ中のトップに合格。「吉永式記憶術」を考案。

また東大理IIIと東大医学部の生徒からなる「東京大学医学部家庭教師研究会」の代表も務めています。

吉永さんは、子どもの頃から興味のあることは覚えられたものの、興味が無いことはまったく覚えられなかったという極端な方だったようです。

そのため学力にムラがあり、理系は飛び抜けて得意だったものの、歴史や生物といった文系はからっきしダメだったといいます。

高校生のときに1年かけて記憶術を研究し、どんなことでも覚えられるように記憶術を改良。

これが現在の「吉永式記憶術」となって完成しますが、吉永さんは独自に改良した「イメージ連結法」記憶術を使って、駿台東大模試で偏差値93を取り、東大理Ⅲ(医学部)に合格しています。

吉永賢一さんの記憶術は、記憶力と知力が高まる効果に加えて、ビジネスや投資にも活用でき、「人生そのものを良くする」「能力そのものを全体的に向上させる」といった特異な記憶術プログラムとなっています。

吉永さんの記憶術は、現在は「吉永式記憶術」として結晶化しています。高額ですが、現時点における優れた記憶術になります。

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栗田昌裕「栗田式記憶法」

栗田昌裕(くりた-まさひろ)さんは、1970年に東京大学に合格しているようです。ただし理Ⅰなのか理Ⅱなのか不明です。ご卒業は「東大理学部」となっています。

記憶術関連の著書に「栗田式記憶法ハンドブック」があります。

栗田さんといえば脳を活性する「指回し体操」が有名ですね。しかし元々は「栗田式能力開発法(SRS:Super Reading System)」を提唱して、「栗田式SRS」としても知られています。

SRSは「健康法、教育法、速読法、速書法、心象法、瞑想法、心身法、記憶法」といった8つの部門から成り立っています。栗田さんにとっての記憶術は、能力開発の一部門になります。

ちなみに「栗田式記憶法」は「SRS記憶法」ともいいます類比法、誇張法、体験法などの13種類の記憶法テクニックがあります。

栗田式記憶法は独特で、スピリチュアル的なやり方でもあります。速読、潜在意識の活用、宇宙意識の活用といった独自の記憶法を提唱しています。またSRSを網羅的に実践することが前提にもなっています。

独特の記憶法(記憶術)なのが「栗田式記憶法(SRS記憶法)」になりますね。

和田秀樹「記憶法大全」

和田秀樹(わだ-ひでき)さんは、1979年に「東大理Ⅲ(医学部)」に合格。著書に「大学受験の神様が教える 記憶法大全」があります。

和田秀樹さんは、テレビをはじめとしたメディアに多数出演し、著書も多数。教育・医療、政治・経済への発言も多く、マルチな方ですね。有名人でもありますので多くの方が知っています。

和田さんは灘校に進学し、東大理Ⅲに合格しています。元々頭脳優秀な方で、記憶も得意だったのだと思いますが、記憶や記憶術に関する著書も出していますね。

「記憶法大全」は、各種の記憶法や記憶術についてコンパクトにまとまっています。

繁田和貴「開成番長の記憶術」

繁田和貴(はんだ-かずたか)さんは、1999年に「東大文Ⅱ(経済学部)」に合格。著書に「開成番長の記憶術」があります。

繁田さんは小学生の頃から飛び抜けて優秀な方です。中学受験では超有名な「SAPIX(サピックス)」において、なんと小学4年生から6年生までの3年間、塾内で1位をキープし続け、中学受験では開成、筑駒、慶應、灘といった難関校のすべてに合格しています。

「10年に1人の逸材」「神童」と呼ばれた天才的な方です。まさに「ギフテッド」。非常に頭脳が優秀な方で、別格になるとは思いますが、記憶術本も出しています。

繁田和貴さんの記憶術は、場所法やペグ法、ストーリー法といった固定化された記憶術というよりも、「イメージ」を使った様々な記憶術を紹介しています。吉永賢一さんの「イメージ連結法」に通じるところがあります。

杉山奈津子「捨てる記憶術」

杉山奈津子(すぎやま-なつこ)さんは、2001年に「東大理Ⅱ(薬学部)」に合格。記憶術著書に「捨てる記憶術」があります。

「捨てる記憶術」は、記憶術というよりも勉強術になります。が、著者独自の工夫が随所にみられます。効率よく暗記する方法、勉強の仕方、心得など、受験に必須のことが、著者の杉山さんご自身の体験を通して語られています。

杉山さんは、決して飛び抜けて優秀というわけでもなかったようです。通っていた高校からは「東大合格は無理」と言われ続けていたものの、見事に合格。

要領よく受験勉強を行うコツや、なおかつ周囲のプレッシャーに負けないマインドセットも読みどころの一つです。

「記憶術」という題名が付いていますが、大学受験向けの「勉強術」といったのが本当のところになります。

山口真由「ストーリー式記憶法」

山口真由(やまぐち-まゆ)さんは、2002年に「東大文Ⅰ(法学部)」合格しています。記憶術著書に「誰でもできるストーリー式記憶法」があります。

ストーリー法とは「物語法」のことで、古典的な記憶術の一つになります。

ストーリー法(物語法)記憶術の3つのやり方と使い方

山口真由さんは、和田秀樹さんと同様、メディアへの出演も多く、知っている人も多いかと思います。

そんな山口さんは「物語をストーリーにして覚えるシンプルな方法」を独自に工夫をして徹底して使い倒して、東大に合格&首席で卒業、ハーバード大学にも合格&卒業し、NY州の弁護士をしています。

元々頭脳明晰で優秀な方で、山口さんもギフテッドなんでしょうが、記憶術(ストーリー法)を使うことで、より大量の暗記ができたんだと思います。

が、シンプルな「ストーリー法」であるが故に、応用は無限なのでしょう。

山口真由さんの「ストーリー式記憶法」は記憶術&勉強術といったところになります。

河野玄斗「河野玄斗の記憶術」

河野玄斗(こうの-げんと)さんは、2014年に「東大理Ⅲ(医学部)」に合格しています。吉永賢一さんや和田秀樹さんと同じ最高レベルの東大理Ⅲに合格しています。

河野さんは非常に優秀な頭脳を持った方ですね。

河野さんは、東大合格(しかも東大理Ⅲ)だけでもスゴイのですが、医師国家試験、司法試験、公認会計士試験の「三大難関国家資格」の3つとも合格しています。さらには英検1級、数学検定1級という難関資格試験にも合格しています。

渡辺剛彰さんを彷彿とさせますが、河野さんの場合はまさにギフテッド。和田秀樹さん、山口真由さん、繁田和貴さんと同じで大変頭脳明晰です。

河野さんは、メディアへの出演も多く、著書も多数。記憶術に関しても発信しています。

河野玄斗さんは、場所法、語呂合わせ、ストーリー法の記憶術を推奨しています。ただ天才的な方ですので、元々記憶力の良い方ですね。

河野玄斗の驚異的な暗記法は場所法・語呂合わせ記憶術だった

ドラゴン桜「メモリーツリー記憶術」

最後に番外編になりますが、ドラゴン桜の担当者だった佐渡島庸平(さどしま-ようへい)さんは、「東大文Ⅲ(文学部)」に合格しています。

ドラゴン桜は、元暴走族で弁護士の桜木健二が教師となって、東大合格を指導する有名なマンガですね。ドラマにもなっています。

このドラゴン桜が誕生するきっかけとなったのが担当者だった東大卒の佐渡島庸平さんの一言、「東大は甲子園に行くより簡単」というのは、これまた有名な話し。

ドラゴン桜に登場する桜木健二さんは、東大合格はしていなませんし、学歴そのものは中卒ですが、ドラゴン桜には「メモリーツリー記憶術」が登場しています。

「メモリーツリー記憶術」は、ドラゴン桜記憶術としても知られています。

ドラゴン桜の記憶術はメモリーツリーを使った記憶法! メモリーツリー記憶術~作り方・使い方を図解で説明

記憶術で落ちこぼれが東大合格する醍醐味

以上のように記憶術を使って(併用して)東京大学に受かった記憶術の先生や著者をご紹介しました。

で、大きく分けて「落ちこぼれ組(努力組)」「ギフテッド組」に分けることができることもおわかりかと思います。

  • 努力組・落ちこぼれ組・・・渡辺剛彰、宮口公寿、松平勝男、吉永賢一、杉山奈津子
  • ギフテッド組・・・和田秀樹、繁田和貴、山口真由、河野玄斗、ドラゴン桜(佐渡島庸平)

※敬称略
「記憶術で東大に合格した」というエピドードは、やはり落ちこぼれや学年最下位から一発逆転して、東京大学に合格したというのがドラマティックであり華がありますね。

そんな記憶術は、元々は学問で使われていた歴史もあります。中世のヨーロッパでは勉強のアシストとして記憶術の使用が推奨されていたほどです。

記憶術がスコラ哲学・学問に使われた中世【11~15世紀】 フランシス・ベーコンとルネ・デカルトの記憶術~学問で使う【16世紀】

この記憶術を使うことで生来の記憶力を補い、ギフテッドである天才クラスに及ぶというのは、なんとも言えない味わいといいますか痛快さがあります。

記憶術によって記憶の天才に追随するという醍醐味こそ「記憶術を使って東大合格」にあるんじゃないかと思います。

最難関の大学である東京大学に、記憶術を使って合格するということは、おそらく東大がトップであり続ける限り存在するロマンなのかもしれませんね。

東京大学合格と記憶術との関係。味わい深いものがあります。

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