目次
基礎結合法とは?
「基礎結合法」は記憶術における基本テクニックです。文字通り「基本的な結合による記憶術」をいいます。「リンク法」ともいます。
基礎結合法は、イメージを使った基本技術です。具体的にいえば、
- 覚えたいものごと
- 覚える場(身体、指、時計など)
に、イメージで結びつけて覚えてしまうテクニックです。暗記したい対象物を、イメージを使って覚えてしまう基本スキルですね。
また「基礎結合法」は「連想結合法」と対になる基本スキルです。
連想結合法記憶術~イメージで結合する基本テクニック
ちなみに「連想結合法」との違いは、
- 基礎結合法・・・「覚えたい物事」を「覚える場所」にイメージで関連付けて覚える
- 連想結合法・・・「覚えたい物事」を「覚えたい物事」にイメージで数珠つなぎにして覚える
となります。基礎結合法は「場所法」のシンプルなやり方ともいえます。
が、「記憶術の基本・土台」になります。シンプルなやり方なのですが、とても大事な基本スキルになります。
基礎結合法は基礎表を使う
ところで基礎結合法では「基礎表」という、記憶する「場」をあらかじめ設けます。で、その記憶する「場」の違いによって様々な呼び名の記憶術にもなっています。たとえば
- 身体法・・・体
- 指法・・・10本の指
- 時計法・・・時計の文字盤(12時間)
- 部屋法・・・部屋の中にあるもの
- 道法・・・道沿いにあるモノや建物
- 建物法・・・建物の中にある部屋・モノ
- 場所法・・・記憶の宮殿
- ペグ法(かけくぎ法)・・・ペグテーブル(数字を置き換えた一覧表)
こうした「基礎表」があります。
右側にある「体」「指」「時計の文字盤」などが、覚える際に関連付ける「場」になります。
基礎結合法では、これらの基礎表(記憶すべき「部位」「場」「箱」)を用意して、それと絡めて覚えたい物事イメージして覚えていきます。
一般的に「基礎結合法」といえば、基礎表に身体・指・時計・を使います。
基礎結合法は、各種の記憶術の基礎であり原理となっています。「記憶術の本質」は煎じ詰めれば「基礎結合法」になります。
記憶術の王道である「場所法」で使う「記憶の宮殿」とは、まさに「基礎表」のことでもあります。「記憶の宮殿」は最もポピュラーな基礎表です。
記憶の宮殿を使った記憶術はイメージが重要
基礎結合法のやり方
では基礎結合法はどのようにして使うのでしょうか。それは
- 記憶するための「基礎表」をあらかじめ用意しておく(作成する)
- 覚えたいことを、その基礎表に絡めてイメージして覚える
となります。
これは本当に記憶術の基本になります。
連想力【記憶術のやり方基本】~イメージをつなげていく能力
連結力【記憶術のやり方基本】~イメージで関連付ける能力
それぞれの基礎表(身体、指、時計)を使った具体的なやり方を、以下にご説明いたします。
身体法のやり方
まず身体を基礎表にして使う基礎結合法を「身体法」といいます。このやり方は記憶術としても最もポピュラーな方法です。
身体法では、頭・目・鼻・口・耳・喉・・・といったように身体の各部分を「基礎表(記憶の宮殿)」として使います。で、これらの「場」に、暗記したい物事をイメージで関連付けて覚えていくようにします。
暗記する際、記憶術の基本テクニックである連想力・連結力・変換力を駆使していきます。
「身体法」は基礎結合法における代表的なやり方ですね。
ちなみに記憶術の教材の中には「身体法による基礎結合法」を「記憶術入門」としているものもあります。ある意味、それくらい重要なテクニックということになりますね。
ジニアス記憶術【川村明宏】リアル購入者によるレビュー&口コミ【効果・内容】
指法のやり方
また指を基礎表にした「指法」という基礎結合法もあります。
指法は、親指、人差し指、中指・・・といった具合に「指」を「基礎表」として、暗記したい対象を絡めて覚えていくテクニックになります。身体法の一種ですね。
もっとも指は「10本」しかありませんので、大量の記憶はできません。けれどもとっさの暗記には役に立ちます。
商談や会話時におけるポイントや会議における重要なポイントの記憶、買い物リストの暗記などに向いています。
日常生活では役に立つやり方です。
時計法のやり方
あと時計の文字盤を基礎表に使う「時計法」という基礎結合法のやり方もあります。
時計法では、時計の文字盤(数字)を利用します。この方法は、時計の文字盤に暗記したい事柄をイメージングして記憶するやり方です。
「身体」「指」の代わりに「時計」を基礎表にしたやり方です。時計法も即効的な記憶術です。
商談、会議、買い物、とっさに覚える必要がある際に活用することができます。
基礎結合法の具体例~世界GDPを覚えよう
では具体的にやってみましょう。
◆身体の基礎表
①頭、②目、③耳、④鼻、⑤口、⑥あご、⑦喉、⑧胸とします。
◆覚えたい物事
①女神、②ラーメン、③富士山、④ソーセージ、⑤ヨガ行者、⑥鐘、⑦エッフェル塔、⑧ピザとします。
で、これらを基礎表に絡めてイメージで覚えていきます。たとえば、
基礎表 | 覚える物事 | 覚え方 | 世界GDPランキング |
①頭 | 女神 | 頭に女神が突き刺さっている | アメリカ(自由の女神) |
②目 | ラーメン | 目にラーメンが入った | 中国 |
③耳 | 富士山 | 耳に富士山が生えた | 日本 |
④鼻 | ソーセージ | 鼻からソーセージが生えてきた | ドイツ |
⑤口 | ヨガ行者 | 口にヨガ行者が住み着いている | インド |
⑥あご | 鐘 | あごに鐘がぶら下がっている | イギリス(ビッグベンの鐘 |
⑦のど | エッフェル塔 | 喉にエッフェル塔が突き刺さっている | フランス |
⑧胸 | ピザ | 胸にピザが刺さっている | イタリア |
このようにイメージングします。ちなみこれは「世界各国のGDPランキング」になっています。
基礎結合法は、このように簡単に使えながらも、大事な数字やデータを即行で覚えることができます。
日常生活でも簡単に使える技法ということが、おわかりいただけるかと思います。
基礎結合法の効果
基礎結合法は、とっさに暗記するときに功を奏します。実際に使ってみますと、その効果を体感することでしょう。基礎結合法の効果の一例をあげてみますと、
- 初めて会った人の名前を覚えていられるようになる。
- 仕事などで要件を聞いても覚えることができる。
- 聞いたことを空んじて復唱することができる。
- 会議では要点を暗記し、スラスラと復唱することもできるようになる。
- 商談の際、相手が言った話しのポイントを暗記できるようになる。
- 用件をメモらずに覚えておくことができる。
- 言ったことを瞬間的に覚えることができるため信頼も高まる。
- 書店で立ち読みをして、本に書いてあるポイントを覚えることができる。
ちょっとオーバーに聞こえるかもしれませんが、決してオーバーではなく、本当にこうした効果が得られるようになります。
基礎結合法はシンプルな記憶術のテクニックになりますが、この方法を習得していると、有能なビジネスマン、セールスパーソンとした印象をもたれるようになります。
「物覚えがいい」ということは、有能な人としてみなされる重要なバロメーターですからね。
場所法も基礎結合法
ちなみに、先にも書きましたが、記憶術の代名詞となっている「場所法」「ペグ法(かけくぎ法)」も、その本質は基礎結合法です。
記憶術・場所法のやり方を図でわかりやすく解説
ペグ法記憶術(かけくぎ法)~数字(電話番号・歴史年号)の暗記に強い
これらは「記憶の宮殿」を作成して暗記していく古典的な記憶術であり、記憶術世界チャンピオンも使っている方法です。
基礎結合法からみれば「記憶の宮殿」は「基礎表」になります。
「基礎結合法」は記憶術の本質であり基本となるベーシックな方法です。けれどもあなどれません。実用性も高く利便性のあるテクニックになります。
基礎結合法を使いこなすことができれば「記憶術はマスターできる」といっても過言ではありません。それくらい重要なテクニックになります。
基礎結合法は万人向け
基礎結合法は、学生、ビジネスマン、主婦、社会人のすべての人にとって役に立ちます。用途の範囲は広かったりします。
主婦も重宝します。買い物をいちいちリストに書いたり、スマホにメモったりしないで、自分の頭の中にしっかりと暗記することができます。
学生の場合は、授業中にノートを取りながら、黒板に書いてあるポイントを暗記してしまうこともできます。授業中にポイントを覚えることができれば、復習は短時間ですみます。しかも長期記憶になります。
まとめ
基礎結合法は、素早く手っ取り早く覚えてしまうことができる記憶術です。日常生活の中でも頻繁に使うことができますし、大道芸人のような瞬間的な暗記もできます。
最も簡単な記憶術ですが応用が効く、まさに基礎テクニックです。
もちろん個人差や能力差もあります。が、記憶術を使いこなすことができますと、その恩恵を実感することが多くなると思います。
記憶術の中でも「基礎結合法」は基本技術になりますが、アルファでありオメガになります。
基礎結合法に習熟すれば「記憶術を習得したことと同じ」になります。基礎結合法を習得できたならば、その基礎能力を土台にして受験や資格試験に対応した、それぞれの記憶術を学ぶことがおすすめです。
ユダヤ式と場所法は、記憶術の中でも双璧になります。こちらの記憶術は受験や資格試験向きの方法になっています。実利に活かせるおすすめの記憶術となっています。