ペグ法記憶術(かけくぎ法)~歴史の年号暗記向け記憶術

ペグ法という記憶術

ペグ法という記憶術があります。即効性が高く、下準備の無いやり方もあって、すぐに使うことができる記憶術でもあります。

ペグ法とは別名「かけくぎ法」ともいいます。

ペグ法とは、実は古典的記憶術の一つですね。場所法の亜流でもあります。メトロドロスが使った黄道十二星座・占星術的記憶術もペグ法になります。

ペグ法は歴史の年号や数字の暗記に最適

ペグ法は歴史の年号や数字の暗記に最適な記憶術です。またリストを暗記する場合も即効的に憶えることができます。

ペグ法は、
1.無意味な数字の暗記
2.順番通りに並んでいるリストの暗記
には向いています。しかも順番通りに情報を引き出すこともできます。

やり方はいくつかあります。

歴史の年号などの無意味な数字の暗記

ペグ法を使って歴史の年号や数字を暗記する場合は、まず下準備が必要です。その準備とは「テーブル」「リスト」を用意することです。それは、

0・・・ドーナッツ
1・・・いちご
2・・・にんじん
3・・・サンダル
4・・・ヨット
5・・・ごましお
6・・・ロケット
7・・・七面鳥
8・・・蜂
9・・・クジラ

というように数字に物を当てはめておきます。

たとえば、

1868年 王政復古の大号令、小御所会議、戊申戦争

といった記憶をする場合は、

1・・・いちご
8・・・蜂
6・・・ロケット
8・・・蜂

これらを連想結合法で暗記します。⇒連想結合法

この事例では最もシンプルなテーブルやリストを準備しています。ペグ法の実際では、もっと大きなテーブル・リストを用意しておきます。たとえば、

00・・・ドーナッツ
01・・・おいらん
02・・・乙武さん
03・・・おっさん
04・・・お酢
05・・・まるこ(ちびまるこ)

といったように二桁の数字によるテーブル・リストです。このようにしておくほうが暗記しやすくなります。下準備が大変ですけどね。

順番通りに並んでいるリストの暗記

この場合は身体に番号を付けておいて、身体法を使います。基礎結合法の応用になります。⇒基礎結合法

これは場所法的ですね。暗記したい事項をひっかけておく「場」があれば、どのようにでもできます。

憶える場を、身体部位、十二星座など、連続しているものを「記憶の場」として使用するのがおすすめです。

ペグ法とは、いわば「記憶の場が連続しているものを使用する記憶術」とも言えます。身体法、指法、時計法、部屋法、道法、建物法もペグ法といえます。

いわば記憶術の基本となる「基礎結合法」はペグ法とも言えますね。

ペグ法はウィンケルマンが考案

ペグ法はシンプルな方法ですが奥の深いやり方です。下準備となるテーブル・リストの作成にこそ醍醐味がありますね。本質は場所法と同じです。

ところで記憶術の方法は古代ギリシアに発案されたテクニックです。当時は場所法が盛んでしたが、その後、1648年にウィンケルマン場所法からヒントを得てペグ法を考案します。

ウィンケルマンは、偽名のスタニスロースという氏名で、ドイル新聞のマールブルクで、このペグ法を発表します。

今でこそ知られているペグ法ですが、当時は画期的な記憶術でした。現在でも初めて記憶術を始める人は、まずペグ法というくらい定番の方法になっていますね。

改良され続けているペグ法

ペグ法は、歴史的に見ても修正が続いています。

最初に修正をしたのはリチャード・グレーです。最近でも改良されています。記憶術のエキスパートであるハリー・ロレイン、それとマインドマップで有名なトニー・ブザンらもペグ法を改良しています。

ペグ法もそうですが、記憶術はシンプルな技法に見えて、応用や改良、工夫することで記憶の効率が高まる技術です。といいますか、実のところ記憶術の秘訣とは、この応用になります。

上っ面の使い方なら誰でも分かります。しかも「ああ、なんだ」で終わってしまいます。

けれども応用や改良、工夫が施された記憶術こそ、本当の意味での実用性が出てきます。これが記憶術のミソですね。

工夫が施された実践向けの記憶術といえば「ユダヤ式」ですね。複雑な暗記にも役に立ちます。まさに受験向けです。
⇒ユダヤ式記憶術