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マインドマップとは?
マインドマップとは、イギリスのジャーナリストであるトニー・ブザンが開発した情報整理の方法をいいます。マインドマップは一般的には、ブレインストーミングといった、情報を徹底的に洗い出して整とんする技法の一つとされています。
しかしこれは実はマインドマップの本質を突いていません。
マインドマップは記憶術と関連しています。
そもそもマインドマップの開発者のトニー・ブザンは、学生時代、記憶術を知ります。
トニー・ブザンの担任の先生が、生徒の個人情報を細かく知っていることを知り仰天します。で、トニー・ブザンは、担任の先生から、その天才的な記憶のコツを教わろうと熱心に催促もします。
その担任の先生は、なんと記憶術を使って生徒の個人情報を全部記憶していたことを知ります。そうしてトニー・ブザンは記憶術の体得のトレーニングを行い、実際に体得します。
トニー・ブザンは記憶術が効果の高い方法であることを述べています。
著書も出していますからね。
が、記憶術を実際に使用している中から、
記憶術を助けるためのツールとして開発されたのが「マインドマップ」です。
ちなみに、このマインドマップの原型は、
13世紀のギリシアで生み出されています。
マインドマップのルーツはラモン・ルル
マインドマップのルーツとなっているのは、1235年にギリシアに生まれた「ラモン・ルル」が生み出した一種の記憶術であると考えられます。
ルルの方法は、文字をイメージ化たり、絵画の中にキーワードを埋め込むやり方で、記憶の便を助けています。
トニー・ブザン自身が学生の頃に記憶術に目覚め、その後、脳トレの分野では権威的存在になり、しかも世界記憶力選手権を提唱し開催するようになった経歴から見ても分かるとおり、トニー・ブザンと記憶術との関連性は非常に深いといえます。
こうしたトニー・ブザンの活動から、根っこの部分に記憶術があることは容易に想像がつきます。また記憶術の歴史についてもトニー・ブザンはかなりの知識を有していることも分かります。
当然、中世のことも熟知しているでしょうし、ラモン・ルルのことも知っているでしょう。ですから、マインドマップのルーツはラモン・ルルの手法にあると言えると考えています。
ちなみに、ラモン・ルルの記憶術を元に、現代記憶術として生み出したのが、松平勝男氏の「ユダヤ式記憶術」だったりします。
マインドマップのルール
さてマインドマップにはいくつかのルールがあります。
それは
- セントラル・イメージ
- BOI
- ブランチ
- サブブランチ
- キーワード化
- 色を三色以上使用する
こうしたルールを聞くと、何かそうしたルールに従わないとならないように錯覚することも出てきます。ですが、マインドマップを作成する際、ルールなどはありません。こうしたルールは、マインドマップの目的を達するために、後になって整理されたものです。
マインドマップとは、カラフルな絵のようにして情報を整理し、記憶を助ける手段です。またマインドマップの本質とはこれです。
情報をイメージ化して、暗記の便を助けるのがマインドマップです。
ラモン・ルルが生み出した手法と同じです。ですからブランチを曲線にするとか、そうしたルールはあまり気にしなくていいでしょう。
色も三色以上とかいいますが、これにもあまりこだわらないで、自分が憶えやすいイメージ化をしていくことです。これが記憶術を踏まえた実践的なマインドマップの使い方です。
視覚、イメージ、絵として記憶するための手段、それがマインドマップと憶えておけば大丈夫です。またこうした捉え方こそ実践的で、応用も効くようになります。
マインドマップが作れるフリーソフト
あと最近では、マインドマップが描けるフリーソフトもいくつか出ています。
有名なツールもあります。
代表的なマインドマップのフリーソフトをご紹介しましょう。
Mind42.com
Mind42.comは日本語の使用が可能なツールです。
フリーソフトでは最も有名なツールかもしれません。
iPhoneやAndroidのアプリもありますので、重宝するでしょう。
Mind42.com
EasyStep
このフリーソフトも日本語対応のツールです。
日本語での解説や取り扱いができます。
マインドマップのフリーソフトは海外製が多い中、EasyStepは日本のユーザーも多いですね。
EasyStepを使用して作成している方も多いでしょう。
EasyStep
その他のマインドマップ・フリーソフト
他には以下のようなマインドマップのフリーソフトもあります。
こちらもわりと有名です。
ツールは、自分の好みや使い勝手に応じて選ぶのがいいですね。
マインドマップ 書き方
ではここでマインドマップの書き方を整理しながら説明してみましょう。
セントラル・イメージ
紙の中心、つまり用紙の真ん中にイメージを書きます。
これをマインドマップでは「セントラル・イメージ」といいます。
セントラル・イメージは絵でもいいですし、キーワードでも良くなります。
要するにマインドマップ化したい概念の「核」となるものを、紙の真ん中に絵や文字で描く事になります。これがセントラル・イメージであり、マインドマップを書く際に基本となる作業になります。
中心イメージであるセントラル・イメージは、色を使ってカラフルにして、視覚に訴えるのがおすすめです。色を付けることによって、記憶への定着が促進されます。イメージ化が進むと言うことですね。
ですから、マインドマップでは、原則的にカラフルで色彩感のあるものにしていきます。文字情報だけでなく、色、デザイン、形として脳に焼き付け記憶していきます。これがマインドマップが記憶に役立つ理由です。
BOI
中心イメージであるセントラル・イメージが出来上がったら、次は「BOI」を書いていきます。BOIとはBasic Ordering Ideasの略語です。
マインドマップを構成する具体的な概念をいいます。
つまり、憶えたいこと、整理したいことの項目ですね。
大見出しのようなものです。
BOIの作業で手が止まる方もいますが、あまり神経質になってはなりません。まずは書いてしまうことですね。
とにかくまずは整理することです。
マインドマップではBOIとか専門用語も出てきますが、あまりこうしたルールにこだわってはいかせんし、とらわれてはいけません。目的は、「記憶を助けるための情報整理術」ということです。マインドマップの本質とは、情報整理です。
ですから、BOIのやり方とか、こうしたルールは「なるほど、そういうものか」程度に知っておくだけにして、あとはあなた自身、自由に書いていけばいいのですね。
ブランチ
マインドマップでは中心にあるセントラル・イメージから放射状に樹上突起を描いていき、記憶すべき概念やキーワードを書いていきます。この樹上突起のような枝を「ブランチ」といいます。
ブランチの形は、まるの脳のシナプスにようです。
関連性や連続性のある事項がまとまりをもって描かれていきます。
樹上突起の形をしたシナプスラインで結んでいくことによって、より視覚的になりイメージを想起させながら、暗記すべき事項を脳に焼き付けていきます。
マインドマップが記憶術と関連していることは、
こうした具体的な手法からも分かります。
ブランチは曲線をで描くことが推奨されています。
ですが、こうした細かい約束事はあまり気にしなくていいでしょう。
サブブランチ
サブブランチとは、ブランチからさらに枝分かれした樹上形をした枝になります。ブランチよりも細く書くことが推奨されています。
サブブランチはブランチよりも細く書くことは、見た目上ものバランス感からいってもそうしたほうがいいでしょう。
サブブランチのほうが太ければ、絵的にもバランスが悪く、記憶への定着の阻害にもなります。綺麗な絵が、脳裏に焼き付くのと同じで、バランス感のあるマインドマップのほうが記憶に残ります。
文字について
マインドマップでは、文章を書き連ねていくことはしません。
原則的に「キーワード」です。
あるいは「短いフレーズ」です。
お勧めなのは、キーワードです。
キーワード化されたものは暗記しやすくもなります。
また視覚でも憶えやすくなります。
できるだけマインドマップでは、
キーワード化して多用していったほうがお勧めになります。
もっともこの辺りは、人によっても違うでしょう。
短いフレーズのほうが具体性もあって記憶に残るという方もいます。
人それぞれ、自分に合った(記憶の残るやり方)で、文字を書いていきます。
イメージ図
マインドマップでは、イメージ図や絵も多用していきます。
といいますか、マインドマップの本質が「イメージ化」ですので、絵、イラスト、イメージ図はできるだけ取り入れていったほうがおすすめです。間違い無く、絵画的にしたほうが記憶に残ります。
文字をキーワード化するのも、イメージ化の一つだからです。
マインドマップとは、イメージ化による情報整理術ともいえます。
記憶術もそうですが、イメージ化することが大切です。
マインドマップが、トニープサンの記憶術の体験から誕生していることを踏まえれば、マインドマップの本質も分かってきます。マインドマップでは、できるだけイメージ図やイラスト、絵を描き込んで、記憶したい事項をイメージ化したり、イメージと絡めて情報整理していきましょう。
マインドマップの効果
マインドマップは一言でいえば「情報の視覚化「情報の映像化」です。
記憶したい情報、整理したい情報を「キーワード+絵+色」を使って映像化していきます。マインドマップは絵画的に作るのがコツにもなっています。
こうした情報整理でイメージ化を行うために、セントラル・イメージとかBOIとか、ブランチ、サブブランチ、色の使い方などのルールも決められています。
ですが、マインドマップの本質は、「情報をイメージ化して整理する方法」ということになります。マインドマップは、情報を整理し、記憶を助けるための方法であり手段です。本質は「メモ」です。
ですから、どんどん書いていくことが大切です。
思いついたまま書き上げていきましょう。
どんどんBOIとしての概念を書き連ねていきます。
脳の中にあるものを吐き出すようにして。
あるいは、書籍にある重要な項目をキーワードを書き出していきます。
こうした使い方をしていれば、
自ずとマインドマップの効果も分かってきます。
マインドマップは
- 視覚に訴える形でイメージ化できる
- 絵やイラスト、イメージの中に情報を埋め込むことができる
- 見た一瞬で全体像が分かる
- イメージ力が活性化させる
- 右脳が活性化する
- 情報を整理整とんできる
- 情報の簡素化が可能
といった効果が得られるようになるでしょう。
マインドマップは、情報や憶えたい事項を次のように加工したり操作できる側面もあります。ノートにだらだらと書き上げるのではなく、キーワード化しながら、なおかつイメージを多用して暗記していく情報整理のテクニックといえるでしょう。
ということで、マインドマッと記憶術との関係について解説しましたが、マインドマップを開発したトニー・ブザンが記憶術を使っていたということですね。ちなみにトニー・ブザンが使った記憶術は「場所法」ですね。場所法の入門として「宮口式記憶術」があります。ご興味のあります方は使ってみるといいかもしれませんね。
⇒宮口式記憶術